川崎は札幌になぜ負けたのか?(2)いつもと違って行けなかった「前からの守備」の画像
追加点を奪われる契機となったMF田中碧のボールロスト 撮影:中地拓也
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■11月3日/J1第26節 川崎―札幌(等々力)

 前半、札幌に立て続けにチャンスを作られたことで、川崎・鬼木達監督は後半開始から選手を2人入れ替えた。MF脇坂泰斗に代えてMF三笘薫、MF旗手怜央に代えてMF田中碧だ。

 鬼木監督はこれまでも、前半に流れをつかめなかったときに後半アタマから複数枚のカードを切ってリズムをつかもうとした。この試合の場合、三笘を入れることで相手にドリブルの脅威を与えること、そして、前半にパスの受け手としても出し手としてもなかなか機能しきれなかった旗手に代えていわば“本職”の田中を入れることで、パスワークを復活させたい意図があったはずだ。それと同時に、札幌が前半に何度もチャンスを作った川崎の右サイドを立て直したかったこともあるだろう。

 しかし、後半も川崎は攻撃に転じられない。一方で、札幌もボールを保持しながらも前半のようにシュートまで持っていくことができなかった。そこで、今度はミハイロ・ペトロヴィッチ監督が2枚のカードを切る。MFチャナティップとMF高嶺朋樹に代えて、FWアンデルソン・ロペスとFWドウグラス・オリヴェイラを入れたのだ。つまり、ゼロトップを捨てて最前線の選手をハッキリとさせたのである。

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