「クラシコ前に連敗」レアル・マドリー 響いたS・ラモスの不在と「ジダンの正念場」の画像
セルヒオ・ラモス(レアル・マドリード) 写真:ロイター/アフロ  

 チャンピオンズリーグが、レアル・マドリーの「免罪符」になることはなかった。

 チャンピオンズリーグ・グループステージ開幕節で、マドリーはシャフタール・ドネツクと対戦した。先のリーガエスパニョーラ第6節でカディスに敗れていたマドリーとしては、第7節バルセロナ戦を前に勝利が欲しいところだった。

 だがマドリーはシャフタールに敗れた。ジネディーヌ・ジダン監督は試合後、「責任は私にある」と力なく語っている。そして、「解決策を見つけなければいけない」と付け加えた。ただ、まずはジダン監督が課題を正確に把握しているかどうかが問題だ。

セルヒオ・ラモスの不在

 シャフタールに敗れた試合で、マドリーはセルヒオ・ラモスを欠いていた。2018-19シーズン(アヤックス戦)、19-20シーズン(マンチェスター・シティ戦)と、過去2シーズンにおいてマドリーはS・ラモスが欠場した試合を落とし、チャンピオンズリーグの舞台から去ることになった。嫌な記憶が喚起され、また依然として彼の代役は見つかっていない。

 加えて、マドリーは今季序盤にダニ・カルバハルが負傷している。カルバハルの長期離脱は、フロレンティーノ・ペレス会長とジダン監督の計算を狂わせた。この夏、マドリーはアクラフ・ハキミをインテルに放出してしまったからだ。

 思えば、予兆はあった。エデン・アザールがプレシーズンに負傷離脱を強いられた段階で、だ。それは「負傷者続出」の負の連鎖の始まりだった。昨年夏に移籍金1億ユーロ(約120億円)でチェルシーからマドリーに移籍してきたアザールだが、移籍1年目は負傷で24試合を欠場した。奮起を誓ったセカンドシーズンで、出鼻をくじかれた。

 ヴィニシウス・ジュニオール、マルコ・アセンシオ、ロドリゴ・ゴエス、ルーカス・バスケス、マドリーの前線にタレントは揃っている。ただ、アザールとカリム・ベンゼマの化学反応は昨季マドリディスタに大きな期待を抱かせるものであった。そのアザールが起用不可能となれば、攻撃のパンチ力が劣るのは自明である。

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