昨季、マドリーがリーガで優勝した大きな要因が守備力にあるのは確かだ。38試合25失点という数字はリーガでトップの数字だった。GKティボ・クルトゥワには、サモラ賞(最優秀GK賞)が贈られた。

 しかし、意外にもマドリーの守備はメンバーが入れ替わると脆さを露呈する。なかでも、先述したS・ラモス、アンカーに配置されるカゼミーロの存在は大きい。

 S・ラモスが欠場すると、途端にラファエル・ヴァランのパフォーマンスが落ちてしまう。裏を返せば、それはS・ラモスのリーダーシップと精神的支柱としての存在感を示している。そして、カゼミーロだ。ジダン監督は今季、【4-2-3-1】のダブルボランチを採用するなど、カゼミーロ不在時の対策を考えてきた。しかしながら現時点でそれは暫定解にさえなっていない。

 昨季、リーガの序盤戦でマジョルカに敗れ、ジダン監督の解任の可能性が取り沙汰された。その時、マドリーと指揮官を救ったのはチャンピオンズリーグの勝利だった。ガラタサライにホームとアウェーの試合で連勝して、彼らは持ち直した。

 いまは状況が異なる。リーガとチャンピオンズリーグで連敗して、バルセロナとのクラシコを迎える。ジダン・マドリーはこの「危機」を乗り越えられるのかーー。今季、最初の障害が立ちはだかろうとしている。

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