クラブ内のゴタゴタは収まっていない。それでも、彼らはチームとして少しずつ前進している。
この夏、バルセロナのリオネル・メッシの退団騒動が世間を賑わせた。2021年夏まで契約を残すエースの突然の退団希望表明は、バルセロニスタに驚きとショックを与えた。Burofax(ブロファックス/内容証明郵便)を通じての伝達という手法を含め、ジョゼップ・マリア・バルトメウ会長とメッシの確執が改めて明るみに出た格好だった。
ロナルド・クーマン監督としては、就任早々、核になるであろう選手が移籍する可能性を考慮してチームビルディングを行う必要があった。それだけではない。ルイス・スアレス、イバン・ラキティッチ、アルトゥーロ・ビダル、サミュエル・ウンティティに戦力外通告をしなければいけなかった。そういう意味では、クーマン監督もまた「被害者」だったと言える。
■求められる若返り
だが航海はスタートした。後戻りはできない。現在のバルセロナに必要なもの、そのひとつが「若返り」だ。
バルセロナが最後にチャンピオンズリーグで優勝したのは2015年だ。その決勝戦でスタメン起用されたのがGKテア・シュテーゲン、ダニ・アウベス、ジェラール・ピケ、ハビエル・マスチェラーノ、ジョルディ・アルバ、セルヒオ・ブスケッツ、アンドレス・イニエスタ、ラキティッチ、メッシ、スアレス、ネイマールである。
あのシーズンから2019ー20シーズン終了時まで、メッシ(現在33歳)、スアレス(33歳)、ラキティッチ(32歳)、ブスケッツ(32歳)、アルバ(31歳)、ピケ(33歳)が主力を張っていた。バルセロナが高齢化していたのは誰の目にも明らかだった。
19-20シーズンには、アンス・ファティ、リキ・プッチ、ロナウド・アラウホというカンテラーノが徐々に存在感を示していった。また、バルセロナはこの夏にスアレスやラキティッチを放出する一方で、ペドリやフランシスコ・トリンコンという選手を獲得している。
その中で、クーマン監督が期待しているのが、フレンキー・デ・ヨングである。