デ・ヨングが本格的にブレイクしたのは2018ー19シーズンだ。デ・ヨング、マタイス・デ・リフト、ハキム・シイェシュ、ダビド・ネレス、ドニー・ファン・ベークを中心にした「ヤング・アヤックス」が欧州の舞台で躍進。レアル・マドリー、ユヴェントスを次々に撃破してチャンピオンズリーグでベスト4に進出した。
複数クラブが関心を寄せる中、デ・ヨングを射止めたのはバルセロナだった。当時、スカウティング部門で働いていたぺぺ・セレール氏によれば、「私がデ・ヨングの視察に訪れた時、彼はデ・リフトとセンターバックを組んでいた。その位置からドリブルで相手のプレスを剥がしていた。なので(その時のスポーツディレクターの)ロベルト・フェルナンデスに、しつこく獲得を勧めていた」
ぺぺ・セレールの執拗な攻めは実る。バルセロナは19-20シーズンに向けて移籍金固定額7500万ユーロ(約90億円)+1100万ユーロ(約13億円)でデ・ヨングを獲得することを決めた。だが移籍1年目は困難なシーズンになった。エルネスト・バルベルデ元監督、キケ・セティエン前監督と指揮官交代が繰り返され、システムと戦術に適応しているうちに時間が流れていった。