■韓国「国内組」代表と国際親善試合を

「国内組」合宿の期間中に強化のための国際試合を行うことは、今の状況が続くとすれば実現が難しいかもしれない。外国人選手の日本入国は制限されているし、日本チームが海外遠征すれば、帰国後に自主待機を強いられるからだ。しかし、試合はできなくても合宿だけは実施しておくべきだ。

 もっとも、ビジネスマンの海外渡航については近いうちに制限が緩和され、自主待機が不要になると言われている。また、11月3日にはWBA世界ライトフライ級王者の京口紘人の3度目の防衛戦が大阪で開催され、挑戦者であるタイ人選手の入国が例外的に許可されることになったという。

「東京オリンピックの開催」を目指している政府としては、スポーツ界の国際交流を進めようとするはずだけに、来年に入ればスポーツ関係者の出入国制限が現在よりも緩和されている可能性は大きい。

 冬場にいわゆる「第二波」に襲われ、感染者数が再び急増するようなことがなければ、来年の1月、2月になれば国際試合の実施も可能になるかもしれない。

 対戦相手としては、韓国の「国内組」代表などが考えられるだろう。

 韓国も、現在までのところ新型コロナウイルスの感染拡大の抑制に成功しており、日本とのビジネスマンの往来も復活しつつある。そして、何よりも移動距離が短くてすむ。

 たとえば、日本代表の「国内組」合宿を九州のどこかで実施するとすれば、釜山(プサン)や昌原(チャンウォン)、済州(チェジュ)といった近場で試合を行うことができる(冬場の韓国で試合をするとすれば、こうした南部の都市以外に考えられない)。試合当日にチャーター便で現地入りし、試合を行ってすぐに空港に直行して帰国すれば現地での人的接触は最小限に抑えられる。逆に、韓国チームが南部で合宿を行って福岡で試合をするようにしても同様に日帰りで試合ができる(「ベスト電器スタジアム」=博多の森球技場は福岡空港からほど近いところにある)。

 10月、11月にヨーロッパで強化試合を実現させた日本サッカー協会の能力を考えれば、2021年の初めに「国内組」による日本代表合宿を行い、さらに国際試合を実現することもけっして不可能なことではないはずだ。

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