■“なでしこジャパン”には国内有力メンバーが勢ぞろい

 先日は、日本女子代表(なでしこジャパン)とU-20女子日本代表の強化合宿の招集メンバーが発表された(なでしこジャパンの合宿は「Jヴィレッジ」で、U-20代表の合宿は「JFA夢フィールド」でそれぞれ現在実施中だ)。

 女子の場合、男子ほど海外進出している選手が多くないし、なでしこジャパンの高倉麻子監督はどういうわけか「海外組」を重用していないので、女子の日本代表は「国内組」がほとんどを占めている。東京オリンピックをめざす女子代表と、ワールドカップを目指すU-20代表にとって「国内組」の合宿はきわめて重要なのだ。

 そして、なでしこジャパンの招集メンバーを見てみると、国内リーグ(なでしこリーグ)での今シーズンの活躍を評価された新しい選手が呼ばれており、「非常にフラットな目で選んだな」という印象を受ける。

 初招集の選手を見てみると、たとえば伊藤美紀は現在リーグで2位に付けているINAC神戸レオネッサで代表の常連、杉田妃和とボランチを組んでいる選手だ。中盤での守備能力、ボール奪取能力が高く、男子で言えば遠藤航のような存在で、攻撃的なMFである杉田とのコンビネーションを代表でも生かすことができれば大きな戦力となりうる。

 また、今シーズン1部に昇格したばかりで旋風を巻き起こしているセレッソ大阪堺レディースからも3人のMFが選出されたが、初招集の脇阪麗奈は視野が広く、前線のスペースをえぐるようなパスを出せる選手だ。

 国内リーグで活躍した選手がしっかり代表にも招集メンバー入りするというのは当然と言えば当然のことだが、プレーする選手たちにとっても大きなモチベーションとなるはずだ……。

 女子代表の招集メンバーを見て、僕はそんな印象を抱いた。

 男子の日本代表でも、2020年のJリーグで良いプレーをした選手が、2021年初頭の「国内組」合宿に呼ばれるのであれば、Jリーグでプレーする選手にとって非常に良い刺激となるのではないだろうか。

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