■長崎が再開初戦以来の3バックで北九州に挑む
勝点1を分け合ったことは、最終的にどんな意味を持つだろう。
10月17、18日に行なわれたJ2リーグ第27節のなかで、最注目カードはギラヴァンツ北九州とV・ファーレン長崎の上位対決だった。両チームは勝点46で並んでおり、得失点差で北九州が3位、長崎が4位となっている。
首位の徳島ヴォルティス、2位のアビスパ福岡とは、試合前の段階で勝点6差である。徳島と福岡が勝ち、自分たちが負けると、勝点差は「9」に開いてしまう。長崎はすでに両チームとの対戦を終えており、北九州も徳島戦のみを残す状況だ。「上位に食らいつくための大事な一戦」と話したのは長崎の手倉森誠監督だが、これ以上離されたらJ1昇格は遠のく。どちらのチームにとっても負けられない一戦だ。
先に仕掛けたのは長崎だ。システムを4バックから3バックに変更してきたのである。最終ラインを3枚で構成するのは、くしくも再開初戦となった2節の北九州戦以来となる。
果たして、52歳の指揮官の仕掛けは奏功する。「相手を構えさせることができた」と話したように、3分、名倉巧が右サイドから侵入してペナルティエリア内からシュートを放つ。GKに弾かれたボールをもう一度狙うが、ワクを捕らえることはできない。
14分にはさらなるチャンスが訪れる。秋野央樹のタテパスを受けた1トップの富樫敬真が、ボールをコントロールしながらCBと入れ替わる。左サイドからペナルティエリア内へ侵入し、GKと1対1になる。絶好の先制機だ。