■2つの価値があったゴール

 そしてこのゴールには、2つの意味で価値があったのではないか。1つは、何よりバイエルンからゴールを奪ったこと。4点差がついて勝負の行方が決していたとは言え、欧州王者から点を取ることは、ブンデスリーガに所属するどんなアタッカーにとっても簡単ではない。ドイツ国内で絶対的な地位を確立しているチームを相手にゴールを決めることは、共にプレーして日の浅いビーレフェルトの選手たちから信頼を掴む上で、最も手っ取り早い方法と言えるだろう。 そしてもう1つは、堂安個人の問題になるが、“右足で”ゴールを奪ったことだ。

 オランダで名を上げた日本人アタッカーはこれまで、右サイドで仕掛けてカットインから左足に持ち替えてのシュートを得意としていた。今回のバイエルン戦でいうと33分に見せたシーンが、その最たる例である。しかしこのシュートパターンは、エールディビジのディフェンダーの間ではすっかり周知の事実となり、昨季の堂安はオランダで行き詰っているようだった。

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