■遠藤獲得は遅きに失した
25節を終えた磐田の成績は、7勝10分8敗で14位である。勝点31は首位の徳島と20もの開きがあり、2位の福岡とも勝点18差だ。徳島、福岡と昇格圏の2位以内を争っている3位の北九州、4位のV・ファーレン長崎とも、勝点15差をつけられている。
2位の福岡が残り17試合を8勝9敗で終えたとする。最終的な勝点は49+24で「73」だ。勝点31の磐田が上回るには43以上が必要で、13勝でも勝点39、14勝でも42である。自分たちが驚異的なペースで勝っていき、なおかつ上位陣が足踏みすることでしか、J1昇格は見えてこない。
そう考えると、遠藤保仁の獲得は遅きに失した感は否めない。交渉次第の話ではあったものの、7月31日から8月28日までの第2登録期間の間に迎えるべきだった。
もっと言えば、昨シーズンオフからの選手の出入りを見ると、短期で結果を残したいのか、中長期的視野でチームを再建しようとしているのかが判然としない。
J2へ降格しただけに、主力の流出は避けられなかっただろう。それにしても、フベロ前監督の意向を反映して編成をしたものの、彼が去ったいまでは整合性がとれない放出があるのでは、との印象を受ける。
磐田にとっての松本戦は、昨シーズンのJ1の開幕カードだった。それが今シーズンは、ともにJ1昇格争いに絡むことなく、中位以下のチーム同士としての対戦である。
遠藤が加入してもなお、名門復活の道のりは険しい。