大住良之×後藤健生「深夜の激論」日本対カメルーン(2)“3バックの劇的変化”と久保建英の可能性の画像
後半途中からプレーした久保建英 提供/日本サッカー協会
■【布陣図】日本代表―カメルーン代表のスターティングメンバーと久保建英投入直後の布陣■
史上初めてヨーロッパ組だけで組まれたチーム。五輪世代から7人が招集されたチームは、オランダ・ユトレヒトの地で、2020年10月9日、カメルーン代表とあいまみえることになった。
 結果は、0−0。
はたして、この試合をベテラン・サッカージャーナリストの後藤健生、大住良之の2人はどう見たのか。試合が終わり、森保一監督のリモートによる記者会見も終わった直後に、思う存分語り合ってもらった。深夜0時から始まった「激論」対談は、予定時刻を過ぎても、終わろうとする気配もなかったーー。

日本代表 スターティングイレブン
G K 権田修一(ポルティモネンセ)
D F 酒井宏樹(マルセイユ) 冨安健洋(ボローニャ) 吉田麻也(サンプドリア) 安西幸輝(ポルティモネンセ)
M F 中山雄太(ズウォレ) 柴崎岳(レガネス) 原口元気(ハノーバー) 南野拓実リバプール) 堂安律(ビーレフェルト)
F W 大迫勇也(ブレーメン)

●途中出場
(後半開始時)安西幸輝 →  伊東純也(ヘンク) 
(65分)堂安律 →  久保建英ビジャレアル) 
(71分)南野拓実 → 鎌田大地(フランクフルト)
(86分)原口元気 → 菅原由勢(A Z)

 

―安西のプレーはどうでしたか?左サイドバックは?

大住「いやあ……」

後藤「ちょっとだな、まだ」

大住「彼の良さは前に出ていくところにあるんだけど、守備ではやっぱりいっぱいいっぱいな感じはしたよね」

後藤「あそこは狙われてたからね、21番のタベクが、あの裏のスペースね」

大住「裏は狙われるし、やっぱり1対1でも取り切れないし」

後藤「裏にあれだけ走られると、出て行きたくても、なかなか出て行けなくなっちゃうだろうしね」

―それもあってか、ハーフタイムに安西を下げて、並びを替えたわけですけど。スムーズに進行したのは見事だったなと思いましたが。どうでしょう?

後藤「それは本当に改善したよね、うまくあれでね」

大住「あれは本当に見事だったよね」

後藤「やっぱり酒井宏樹が、サイドバックだけれどセンターバックも、カメルーンを相手に一歩も引かないでできちゃうのが素晴らしいよね」

大住「前半の終わりごろね、監督がコーチと話していて確認していたんだけど。何をやるんだろうなと思ったら、3バック。今まで代表では上手くいったことがなかったのに。3バックかって思ったんだけど、すごく変わったよね、あれで。守備も攻撃も良くなったね」

―あまりやってこなかったですよね。森保さんは。

後藤「オリンピックチームのほうは、ずっと3(スリー)中心で。フル代表のほうは、ずっと4(フォー)中心で。どうしてそこでを使い分けてんのかなって、ずっと疑問ではあったんだけど。もっと早い時期に両方使えるようにしていくのだろうと思ったら、なかなかやらないなって、ずっと思ったまんまで1、2年が過ぎたって感じだよね」

大住「そうだよね。ときどきやったんだけどさ、あんまりうまくいかなかったんだよ」

後藤「本当は、森保監督としては自由に使いこなせるように、使い分けられるようにしたいのだろうけど、なかなかそれが今まで出来ていなかった。今日は本当に思い切ってやったし、うまくいったもんね。それが一番の収穫ですよね」

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