日本代表は、中盤でボールをつなぐことができなければ、低い位置から意図した効果的なビルドアップをすることもままならなかった。ボールがとにかくつながらない。前に出そうとするパスはことごとくカメルーンの選手の足に引っかかる。試合前に高まっていたワクワクを、再び感じることはできなかった。
ここがサッカーの難しいところだが、だからといって、守備で危険性を感じさせた場面は限りなく少なかった。吉田、冨安、酒井を中心とした守備は、対人の場面でも組織の部分でも安定感があり、カメルーンにも攻めにくさを感じさせたはずだ。
精彩を欠いた攻撃陣と、安定感を見せた守備陣――その差はおそらく、選手のコンディションに求められるかもしれない。冨安はセリエAで3戦連続フル出場、吉田はチームで3試合中2試合に出場し、直近の試合ではフル出場。酒井はマルセイユで6試合すべてに先発し、5試合でフル出場。後半途中から出場し、幾度となくドリブル突破を見せた伊東純也もチームの攻撃の柱として、ここまで8試合すべてでフル出場している。