〈動乱のJ2〉磐田に遠藤保仁が加入(2)!福岡9連勝!!早くも4強のサバイバルに突入【戸塚啓J2のミカタ】の画像
ジュビロ磐田に加入した遠藤保仁   写真:長田洋平/アフロスポーツ
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■福岡が2位浮上! 長崎は9試合ぶりの勝利

 ジュビロ磐田に、監督交代と遠藤保仁加入いう大きな出来事が起こる中、24節の最注目カードは、2位のギラヴァンツ北九州と3位のアビスパ福岡との直接対決だった。クラブ最高タイの8連勝中の福岡にとっては、新記録に挑む一戦でもある。

 試合はいきなり動く。5分、前線へ蹴り込まれたボールをフアンマ・デルガドがDFと競り合いながら持ち出し、ペナルティエリア左から力強く蹴り込んだ。

 ホームチームがいきなり先制したが、試合の主導権は北九州が握っていく。チーム得点王のディサロ・燦・シルヴァーノが前節に続いて欠場し、背番号10を背負う高橋大悟が出場停止だったものの、ダブルボランチの一角を担う加藤弘堅を中心にテンポ良くボールを動かす。本職のボランチではなく右サイドバックで起用された藤原泰哉も、アグレッシブに攻撃へ絡んでいく。

 北九州らしい試合運びから、前半だけで3度の決定機を生み出した。0対1で迎えた後半も、最初に相手ゴールへ迫ったのは北九州だった。しかし、「点を取れなかったところに大きな問題がある」と小林伸二監督が振り返ったように、スコアを刻んで福岡にプレッシャーをかけられない。逆に72分、相手の左CKからフアンマにヘディングシュートを決められてしまう。リーグ最少失点タイを誇る福岡の堅守を崩し切れず、北九州は0対2のまま終了のホイッスルを聞いた。

 長谷部茂利監督が統べる福岡は、クラブ新記録の9連勝を飾った。押し込まれても守備が踏ん張るのは得意の試合運びで、実に11試合目のクリーンシート達成である。「らしさ」を発揮した勝利で北九州を抜いて2位に浮上し、首位の徳島ヴォルティスにも勝点2差に迫ってきた。

 4位のV・ファーレン長崎も、勝利の雄叫びをあげた。アウェイで栃木SCに1対0と競り勝ち、9試合ぶりの勝点3をつかんでいる。「9月は苦しんだが、10月は充実させていく。これからは勝つしかない。泥臭くても勝つしかない」という手倉森誠監督の言葉どおり、しぶとい戦いで難敵の栃木を退けた。

 次節は10日と11日に開催される。次なる5連戦へ向けて、各チームは調整と立て直しを進めていく。

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