■まさかのレッドカード
こんな試合のダメ押しはレッドカード。抜け出したガブリエル・シャビエルをトーマス・デンが追って競り合いになった。見た目にはそんなに激しくない互角のコンタクトがあって、シャビエルが倒れた。
「カード出すのかな?」と私は考えたが、今までの流れをくむなら「出さないだろうな」とも思った。そのくらいのものだった。
だが、私はデンと共に意外なものを見てしまった。レフェリーが取り出したのはまさかの「レッドカード」。
私が考えたのは「イエローカードを出すのか、出さないのか」だったから、驚きだった。
実際にレフェリーがレフェリーの位置から何を見たのかは、本人しか知らない。だからレフェリーが「レッドだ」と言えば、コロナ禍のVARがない状況下ではそれに従うしかない。
9357人の観客にも不満が残った。
試合はこれで終わった。
勝利した名古屋のマッシモ・フィカデンティ監督がうまい表現をしている。「絶対に勝つという気持ちで、少し行き過ぎになった部分も互いにありましたが、レフェリーがうまくコントロールしてくれました」
この婉曲な言葉がこの試合のすべてを言い尽くしているような気がした。