■「レッズランドのチーム」が快進撃

 復旧作業に手応えが感じられるようになったのは、12月を迎えたころだった。人工芝がきれいな緑を取り戻したことで、レッズランドの「風景」は見違えるようになり、それがスタッフや作業員たちの心に力を与えた。

 さらに勇気づけてくれたのは、浦和レッズレディースの皇后杯(JFA全日本女子選手権)での快進撃だった。11月2日に終了したなでしこリーグを2位の好成績で終えたレディースは、「レッズランドのチーム」と言える存在だった。森栄次監督をはじめとしたチームスタッフはレッズランドにオフィスをもち、チームは毎日レッズランドで練習し、ホーム、アウェーとも、ここからバスで出発していくからだ。レッズランドのスタッフもレディースを「マイチーム」と思っているし、レディースの選手たちもレッズランドに愛着をもち、「ホーム」のように思っている。

 被災の直後、ある元選手がクラブハウスに飛び込んできた。もう10年近く前にレディースを離れ、後に他のクラブでプレーした選手だが、数時間をかけて車でかけつけ、お見舞金を置いていったのだ。彼女の行動に、レディースの選手たちのレッズランドへの思いが象徴されていた。

 そのレディースが年末の皇后杯で見事な活躍を見せた。準々決勝でマイナビベガルタ仙台をエース菅澤優衣香のゴールで1-0で下し、さいたま市のNACK5スタジアム大宮で行われた準決勝に進んだのだ。レッズランドが使えなくなってから、レディースは近くの学校のグラウンドを借りるなど、苦労して練習を重ねてきた。レッズランドは、天然芝のグラウンド1面を12月に「仮復旧」させて使えるようにしてレディースに使ってもらうことにした。雨が降ると泥水がしみ出し、霜が降りても使えなくなる状態だったが……。

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