■9月13日/J1第16節 川崎―広島(等々力)
クラブ新となるシーズン内でのホーム8連勝に、大量5得点の祝砲だ!
川崎フロンターレにとって、13連戦のラストマッチとなるホーム広島戦。通常はピッチに放水をしてボールのすべりを良くする川崎だが、この日はそんな必要もない雨中の試合だった。
川崎はいつもの通り4-3-3で試合に挑む。ただし、MF田中碧が5試合ぶりにスターティングメンバーに名を連ねた。この日、スタジアムで販売されたマッチデープログラムの表紙と巻頭インタビューは、この田中。「自分にしかできないようなプレーをパフォーマンスや結果で示したい」とインタビューで話していたが、まさしくその通りになった。
14分、広島のゴールネットに、誰よりも最初にボールを突き刺したのが、背番号25番だった。DFジェジエウの縦パスを受けたFW旗手怜央が右サイドバックのDF山根視来に落とすと、その山根が田中に縦パス。田中は山根に戻すと、その山根に広島ディフェンダーが食いつき田中がフリーに。山根はすかさず田中に戻し、GKと1対1になった田中が右足を振りぬいてGKのニアをぶち抜いたのだ。ジェジエウから田中まですべてワンタッチパスという技術力と、フリーになった選手を見逃さない力が、先制点を生んだのだった。
ここから、川崎のワンサイドゲームになるかと思われたが、川崎は前半のうちに追加点を奪うことができなかった。前半のスタッツでいえば、川崎のシュート数は7本、広島のシュート数は1本なのだが、広島は粘り強く守って、隙を逃さず前進した。
広島は3-4-2-1なのだが、守備時にはウイングバックが3バックに吸収されるほど低い位置を取って5-4-1になる。そのため、川崎としてはゴールの前に2本の列ができているような形となり、さらに、川崎の選手が走り出すと一時的にマンマークのような守備を取るため、パスワークで崩すのは容易ではなかった。1失点目は、広島のディフェンス陣がボールホルダーに食いついたがためにフリーの選手ができたから得点できたが、その後、広島の城福浩監督がピッチ際で選手に対して「あまりついていき過ぎるな」と指示を出したこともあって修正が加えられ、川崎としては難しい展開となった。