代役というのは、選手当人にすれば決してポジティブなものではない。しかし、2つ目の役割は、ポジティブなもの。それは、4-3-3の通常のシステムを4-2-3-1に変更し、その際、南野が左サイドに入ることだ。このとき、前線にはサラー、トップ下にフィルミーノ、右にマネが配置される。

 本来のリバプールは、サイドバックも積極的に攻撃に参加する。そして、チーム全体としてボール保持・ボール奪取に取り掛かる。ただ、4-3-3ではそれがうまくいかない場合もあり、相手によって、スライドなどの負担を減らしながらプレスを掛けられるようにする必要がある。現状、それが4-2-3-1だとやりやすいということになる。南野は、規律を重んじながらフロント3の攻撃に加わることができるため、もっともふさわしいのだ。

 そして3つ目が、通常の4-3-3の中で、チームを動かす指揮者になることだ。フロント3の攻撃は、その個人能力に大きく依存する部分もある。それを生かすために、ボールを引き出し、あるいは、ボールをうまく配球して攻撃を滑らかにする。あるいは、前線に自ら走り込んで、攻撃の迫力を増大させる。それこそ、ブラックプール戦で見せた動きそのものだ。

 昨季のリバプールの中盤構成は、イングランド代表ジョーダン・ヘンダーソンオランダ代表ジョルジニオ・ワイナルドゥムブラジル代表ファビーニョで組むのがポピュラーだった。彼らに代わって、南野が起用されれば、新たな化学反応が起きるはずだ。

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