■北九州のハイプレスが東京Vの強みを封じる 

 22、23日開催の14節で注目を集めたのは、7連勝中の北九州対3連勝中の東京V戦だった。試合前の順位は北九州が2位、東京Vは5位で、上位対決でもある。

 戦術的にも見どころのある一戦だった。

 北九州はハイプレスを特徴とする。敵陣の高い位置でボールを奪い、ショートカウンターを繰り出す一方で、しっかりとしたポゼッションも見せていく。攻撃の引き出しは多く、13節終了時点の23ゴールはリーグ最多だ。失点10はリーグ2位タイであり、攻守にスキを見せない。

 対する東京Vは、ボール支配率で相手を圧倒するサッカーを追求する。一人ひとりの選手がしっかりとした技術を持ち、プレッシャーを受けても簡単にボールを失わない質的優位を備えつつ、選手がどこに立つのかを考えた位置的優位を考え抜いたサッカーで、アビスパ福岡を3対1、水戸ホーリーホックを2対0、松本山雅FCを3対0で退けてきた。

 試合はアウェイチームの先制点で幕を開ける。10分、東京Vがオウンゴールで先制したのだ。

 北九州はすぐに追いつく。13分、右サイドからペナルティエリア内へ侵入した新垣貴之のシュートは相手CBとGKにブロックされるが、ボールはゴール前に残る。これを町野修斗がプッシュした。

 その後も北九州が主導権を握る。両チームともに高い位置からハメ込んでボールを奪おうとするなかで、自分たちの狙いをより実行できたのは北九州なのだ。

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