■「若くて才能がある」とフベロ監督も期待

 ボールポゼッションで勝る磐田は、最終ラインから攻撃を組み立てていく。3バック右サイドに立つ鈴木は、プレッシャーを受けても慌てることなくボールをさばいていった。

 守勢に立たされることがほぼなかったため、ディフェンスの局面でポテンシャルを全開させるような場面はなかった。CKでマークを外されてしまうことがあったものの、流れのなかでは正しいポジショニングを取り、冷静にプレーできていた。

 0対0で終了した前半を受けて、フェルナンド・フベロ監督はハーフタイムに交代のカードを切る。藤田義明が送り出され、鈴木が退いた。

 試合後のフェルナンド・フベロ監督は、鈴木の交代について「決して悪かったからではなく、デビュー戦ということと、まだ我々にはDFが控えていたので」と説明した。そのうえで、「若くて才能のある選手で、相手に対してしっかりと予測してボールを奪いに前に出る。それから、後ろからボールを回すところも落ち着いてしっかりやってくれた。デビュー戦で本当に良くやってくれたと思います」と評価した。

 J2リーグは8月8日の10節から23日の14節まで、中2日または中3日での5連戦となっている。各チームの監督は疲労の分散とケガの予防を念頭に、思い切って選手を入れ替えている。

 今節にトップチームデビューのチャンスをつかんだのは、鈴木だけではない。10代の若手が数多く出場している東京ヴェルディで、18歳の松橋優安が初先発を飾った。前半開始早々に際どいシュートを放つなど、55分のプレータイムで持ち前の攻撃性能を発揮した。

 久保建英と同じ2001年生まれのアタッカーが、またひとりプロとしての第一歩を刻んでいる。

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