FC東京・長谷川健太監督の異次元「高揚力」(2)オリヴェイラ、永井、東…「もう一丁」の開花の画像
FC東京を率いる長谷川健太監督 写真:長田洋平/アフロスポーツ

また、FC東京から海外へ選手が移籍していった。久保建英橋本拳人に続いて室屋成。この1年で3人目だ。FC東京に何が起こっているのか。指揮官・長谷川健太監督がチームにもたらしたものとはーー。

※その1はこちらより

■ベテランや中堅が新たな才能を開花させるFC東京

 FC東京は第10節終了時点で4位につけている。首位の川崎フロンターレとは大きな勝点差を付けられているが、悪い成績ではない。ただ、昨シーズンは最終節の直接対決まで横浜F・マリノスと優勝争いを繰り広げていただけに“出遅れた感”は強い。良い試合とそうでない時の振れ幅も大きいような気がする。

 しかし、選手個々のプレーを見ると、昨シーズン以上にプレーが充実している選手が室屋以外にも何人もいる。

 たとえば、ディエゴ・オリヴェイラ。かつては、技術もあり、純粋なFWとして攻撃の中心となっていた選手だが、今ではもちろんこれまでの通り攻撃の中心でもありながら、右サイドで起用されることもあり、また中盤に下がって組み立てにも参加する。要するに、プレーの幅が大きく広がっているのだ。

 サイドでプレーする時には、守備でも献身的に体を張ってプレーする。相手のクロスに対してブロックに入るタイミングなど実に見事なものだ。それこそ室屋が攻め上がった後のスペースを埋めてサイドバックの位置まで戻ってプレーすることすらある。そして、奪ったボールをちょんと浮かせて相手のタックルをかわして持ち上がるプレーには何とも言えない安定感が漂っている。

 つまり、ディエゴ・オリヴェイラは、まさに好守両面で活躍できるオールラウンダーに変身しているのだ。

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