■長谷川監督の手腕

 ケガで出遅れていた永井謙佑も、持ち前のスピードを生かして効果的にプレーに絡んでいる。90分フル出場はできないが、その分、前半から思い切って走り切る姿勢が効果を発揮しているのだろう。5人までの選手交代が許される特別ルールのおかげで、今シーズンに限って言えば「フル出場できないこと」は大きな問題ではないのだ。

 たとえば、横浜F・マリノス戦の3点目のように、スピードを生かしてGKからのキックをそのままゴールに結びつけることもできるようになった。

 たとえば田川亨介のような若い選手が成長するのは当たり前の話だ。

 だが、ディエゴ・オリヴェイラや永井謙佑といった、年齢も高く、もうすでに完成された状態の選手たちが昨シーズン以上のプレーを見せるというのは簡単なことではない。だが、長谷川健太監督率いるFC東京では、これまでにも新たな才能を開花させた選手が数多くいる。

 たとえば、東慶悟

 大宮アルディージャ時代から日本代表にも選出され、またロンドン・オリンピックでも活躍した東はテクニックがあり、また卒のないプレーができる選手だったが、どこか淡白な印象が強かった。
 その東は2013年にFC東京に移籍したが、2016年に長谷川健太監督と出会うと献身的にプレーできる選手に変身した。当時、新しいプレースタイルを披露する東を見て「あれっ、東ってあんなに走る選手だったのか!」とビックリしたのを覚えている。

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