FC東京・長谷川健太監督の異次元「高揚力」(1)室屋成“世界クラス”成長と日本代表SB争いの画像
FC東京を率いる長谷川健太監督 写真:長田洋平/アフロスポーツ
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また、FC東京から海外へ選手が移籍していった。久保建英橋本拳人に続いて室屋成。この1年で3人目だ。FC東京に何が起こっているのか。指揮官・長谷川健太監督がチームにもたらしたものとは。そして、激しくなった日本代表のサイドバック争いの行方は――。

■迷いがなくなった今年の室屋

 FC東京の右サイドバック、室屋成がドイツ・ブンデスリーガ2部のハノーファー96に移籍することが決まり、J1リーグ第10節の名古屋グランパス戦(8月15日)がFC東京での最後の試合となった。

 試合終了後に移籍する選手が挨拶し、サポーターが温かい拍手で送り出すという光景は味の素スタジアムではすっかりお馴染みとなってしまった。つい先日はロシアのロストフに移籍した橋本拳人が挨拶をしていたし、1年前にはあの久保建英が巣立っていった……。

 その、味スタでの最後の試合となった名古屋戦で、室屋は前半33分にこの試合唯一のゴールに見事にからんで勝利に貢献した。相手陣内バイタルエリアまで進出していた室屋が競り合ってボールを左サイドにつなぎ、そこからレアンドロ高萩洋次郎永井謙佑と速いパスが回り、最後にレアンドロが決めたものだ。

 ただ、対戦相手のマッシモ・フィッカデンティ監督(元FC東京監督)が前半はマテウス、後半は相馬勇紀を左サイドの高い位置に張らせて、室屋が攻め上がれないようにしっかりと対策を講じてきたこと。そして、中盤が落ち着かなかったこともあって、室屋がタッチライン際を攻め上がる回数はいつもの試合よりは少なかった。

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