バルセロナにとっては信じられない90分だっただろう。
日本時間の8月15日午前4時にキックオフした、UEFAチャンピオンズリーグ、中立国でシングルレグで行われた準々決勝のFCバルセロナ対バイエルン・ミュンヘンの一戦。
ポルトガル・リスボンのベンフィカのホームスタジアムであるエスタディオ・ダ・ルスで行われた一戦は、まさに究極的なワンサイドゲームの様相となった。
先制したのはバイエルン。
開始4分、左サイドのクロアチア代表・イヴァン・ペリシッチのクロスをトマス・ミュラーが受け、ボールをロベルト・レバンドフスキに託してのワンツーで、ミュラーが左足でコースを狙い、美しいゴールを挙げた。
その後、バイエルンはワントップとして置かれたレバンドフスキを中心に、最前線からバルセロナのGK、マーク・テアシュテーゲンへ猛烈なプレスをかけ続ける。
足技には絶対的な自信があり、バルセロナのビルドアップの開始点であるGKへのアタックは、ここまで有効なのか、と思わせるほど、バルセロナを崩壊へと導いていった。
6分、ジョルディ・アルバからスアレスへのクロスをクリアしようとしたアラバのボールはゴールに飛び、バイエルンのGKマヌエル・ノイアーも触るものの、ネットに吸い込まれてオウンゴールとなって1−1。
その後、3度ほど同じパターンで、右サイドからのメッシの精度の高いクロスが上がり、バイエルンゴールに肉薄するものの、バルセロナにチャンスがあったのは、ほぼこの時間だけだった。