■勝利を手繰り寄せるベテランの活躍も

 フレッシュなタレントの台頭が目につくなかで、ベテランと呼ばれる選手たちがチームを勝利に導いている。

 愛媛を2対1で退けた磐田では、36歳の大井健太郎が再開後初めて先発した。J1だけで300試合以上の出場を誇るセンターバックは過去2試合の戦いを踏まえ、「前半を無失点に抑える」ことに力を注ぐ。果たして、前半を0対0で終えたチームは、大森晃太郎とルキアンの得点で2対1の勝利をつかんだのだった。

 3連敗で今節を迎えたザスパクサツ群馬では、大前元紀が移籍後初ゴールをマークした。再開後3試合を欠場し、7節からスタメンに復帰した30歳のストライカーは、前半終了直前にPKを冷静に蹴り込んだ。1対1のまま突入した後半アディショナルタイムには、大前の右CKから小島雅也の決勝ゴールが生まれる。群馬は連敗を「3」で止め、シーズン2勝目をマークした。

 17年から3シーズン在籍した大宮では、背番号10を背負った。18年にJ2リーグ得点王となり、19年にはキャプテンを任された。ただ、チームはJ1復帰を果たせず、彼自身は昨シーズンいっぱいで契約満了となっていた。

 まだ30歳である。スポットライトから遠ざかるのは早い。J1で50点、J2でも48得点を記録してきたストライカーは、群馬を上位へ押し上げることで自らの存在価値を示していくだろう。

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