浦和レッズ「緊急青空ミーティングと悩む指揮官」/練習レポートの画像
浦和レッズの練習風景 7月19日  撮影:佐藤亮太
全ての写真を見る

 久しぶりの快晴となった19日(日)、浦和レッズはさいたま市にある大原サッカー場で午前11時から全体練習を行った。

 18日に喫した今季初黒星は、FC東京に13年シーズン以来、そして、敵地・味の素スタジアムでは16年ぶりの敗戦という、悔しいものとなった。中3日で迎える、22日(水)のアウェイ・柏レイソル戦が目前に迫っているため、たった一つの負けを引きずる暇はない。

 全体練習が始まる前、敗戦を受けてか、青空ミーティングが開かれた。大槻毅監督にコーチ、選手、そして土田尚史SDが加わり、約10分、話し合いがもたれたのだ。その内容は報道陣には伺い知れなかったが、今季ここまでリーグ5試合すべてで先発出場するDF橋岡大樹は練習後のリモート会見で次のように振り返った。

「大槻監督からは“負けていて時間がない時に審判に文句を言うのではなく、勝ちに行く姿勢、出来る限り多くプレーをして、ゴールに執着してくれ。負けた責任は俺が取る。だからそれ以外はやって欲しい”と話しがあった。監督が覚悟を持つなか、自分たちは一生懸命にやれることをやらなければならない。

 勝ちにこだわること、そして、自分のプレーを出し尽くすことを選手に求めたという。何より、「責任は自分が取る」という一言に、大槻監督の強い気持ちが感じられよう。

 それに鼓舞されたのか、練習でひと際熱が入っていた選手がいた。MFマルティノスだ。特にそれが表れたのが、4人の選手が細かくパスをつなぎながら、サイドからゴールに迫るトレーニングのときのこと。指揮官が「何かストレスがあるのか?」とつぶやくほど、ネジが切れたかのようにマルティノスは力いっぱいシュートを叩き込んでいた。

 他方、練習で調子の良さを感じさせたのがFWファブリシオだ。ハーフコートを使ったミニゲームでは、相手GKから見て右45度から、立て続けに3本もシュートを叩き込んだ。直線的、あるいは巻き込むようなミドルシュートを突き刺していく姿は、“ファブリシオ・ゾーン”と名付けたくなるほど見事だった。

 また、今季まだ出場のないMF伊藤涼太郎が、ミニゲームでDFから強く寄せられながらも強引に突き進み、ネットを揺らす場面もあった。伊藤と同じように出番のないDF鈴木大輔や右足にテーピングを巻くDF槙野智章もはつらつとプレー。指揮官の「行くぞ!」の声を待ちわびているかのようだった。

 柏戦のシミュレーションをしているのか、この日の練習中、指揮官は腕組みをして、じっくり選手を観察していた。選手起用について大槻監督は「3試合を1セットとして考えたい」としている。ここまでの6戦を見ると、メンバーはほぼ固まったように感じるが、FC東京戦前日の17日の会見で、「“次の出番”を待つ選手たちの状態が良い。活躍するぞというモチベーション、コンディション、パフォーマンスもよく、(メンバー選考を)すごく悩んでいる」と吐露していただけに、これまでとは違った起用や組み合わせも考えられよう。

 浦和の現在の勝ち点は「10」。順位は得失点差の6位。首位・川崎とは勝ち点差がわずか「3」しかない。上位定着のために、連敗は避けたいところだ。

 

PHOTO GALLERY 全ての写真を見る