現代フットボールにおいて、トップ下というポジションは事実上消滅している。「世界最高のトップ下は、ボールロスト後のプレスだ」。ユルゲン・クロップ監督は、かつて、そう語っていた。攻守一体のスタイルで2018-19シーズンのチャンピオンズリーグを制したリバプールでは、まさにその戦い方が体現されていた。
■プレーメーカーの居場所
それでは、現在、プレーメーカーが置かれるのは、どこか。インサイドハーフである。
チャンピオンズリーグで3連覇を達成したレアル・マドリーで、ゲームメイクを行っていたのはルカ・モドリッチとトニ・クロースである。彼らは【4-3-3】の左右インサイドハーフに配置され、ダブルトップ下的にガレス・ベイル、カリム・ベンゼマ、クリスティアーノ・ロナウドの「BBC」を操った。
ここでは、より狭義の「左利きの右インサイドハーフ」に注目する。久保建英、マルティン・ウーデゴール、ファビアン・ルイスといった選手が、そのポジションで躍動している。
ただ、そのプレースタイルは多様性に富む。