■チームの戦いは勝つことで安定する

 全42試合で争われるJ2は、まだ3試合が終了しただけである。順位を気にする段階ではない。J3降格のないシーズンだから、下位に沈んでいても気にすることはない……のだが、いまだ未勝利のFC町田ゼルビア、ヴァンフォーレ甲府、東京ヴェルディ、栃木SC、FC琉球、ザスパクサツ群馬の6チームは、勝利に飢えているだろう。

 J3から昇格した群馬は、大宮相手に悪くない試合をした。試合の入りは申し分なく、攻撃に人数をかけることもできていた。

 しかし結果は、前述のとおりである。点を取るための最終段階で必要な要素が、決定的に欠けていた。

「内容は悪くない、あとは結果がついてくるだけ」といったフレーズは、J2に限らず、あるいはサッカーに限らずスポーツ全般で聞かれる。チームの方向性は間違っていないということなのだろうが、「結果待ち」にも限度がある。内容は悪くないことを支えにしていっても、勝利をつかめなければ「このままで本当にいいのか」との疑念が、声を上げないの腫瘍のようにチーム内に浸潤していく。

 次節は7月10日と11日に行なわれ、15日の水曜日はミッドウィーク開催だ。さらに18日または19日にも試合が組まれており、短い試合間隔での連戦となる。戦術的な修正よりコンディショニングを優先すべきスケジュールで、きっかけをつかめないままズルズルと後退するチームが出てきてもおかしくない。

 新型コロナウイルス感染拡大の第2波、第3波が到来したら、全日程を消化できないままリーグ戦が終了することもある。J2リーグは再開されたばかりだが、すでに昇格レースからのふるい落としは始まっているのだ。

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