■「プロセス重視」のチーム作りが強みに 

 東京オリンピック・パラリンピックが延期されたことで、各競技団体とアスリートは強化プログラムの組み直しを迫られた。ブラサカ日本代表も例外ではないが、高田監督は前向きにとらえている。

「目先の結果に一喜一憂することなく、成功するためのプロセスを大切にしてきました。変化とトレンドを見極めた進化を意識して、その時々でやるべきことをやってきた。この進めかたこそが、強みを発揮すると確信しています」

 東京パラリンピックに出場8か国のなかで、日本の世界ランキングは6番目だ(19年1月発表の現もの)。19年のワールドグランプリで4位に食い込んだ日本は、来夏の大舞台で初のメダルをターゲットとする。

 高田監督の言葉に熱がこもった。

「来年のパラリンピックで、どうやったらブラジルやアルゼンチンに勝てるのか。どうやったら中国を追い詰められるのか。プランは持っているので、それをやっていくだけです」

 1年延期されたことによりメリットと、3か月強の活動休止のデメリットのどちらが大きいのか。高田監督は「デメリットのほうが大きいです」と話すが、その表情に焦りの色はなく、力強い視線は真正面を見据えていた。

 

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