■コロナ後のカギは「筋肉系のケガをしない」

「自分が感染しない、誰かに感染させないことを第一に、選手たちにはサッカーのことは2、3か月忘れてもいいよ、再開できたときにどうやって楽しもうか考えていこう、というような話をしていました」

 ブラサカ日本代表の高田敏志監督はこう語る。「もし感染者が出てしまった場合は、あらかじめ決めた病院へ行けるような手配もしていた」という。

 そのうえで、4月からオンラインでトレーニングを開始。室内でできるボールフィーリングと身体操作のメニューに、1回1時間程度の負荷で週3回取り組んでいった。

 6月10日からは一部のメンバーとコーチが集まり、屋外でのトレーニングをスタートさせた。「一部のメンバー」の集合となったのは、電車移動で片道1時間以内という条件を設けたからだ。実際に集まることができたのは、14人の代表選手のうち4人にとどまった。高田監督が説明する。

「このフェーズでは週2回、1回2時間程度のトレーニングとして、対人プレーやゲームはしていません。トレーニングでは筋肉系のケガをさせないことを意識しました。コロナの影響で強制的に2、3か月休み、筋肉系のケガをしたらさらに2、3か月離脱することになってしまうからです。Jリーグなどに先駆けて再開されたドイツのブンデスリーガでは、筋肉系のケガをする選手が多かったので」

 7月以降は週2回程度のトレーニングと、月1回から2回の合宿を予定する。「コンディションの回復を最優先にトレーニングを構築し、絶対にケガをさせない」と、高田監督は慎重な姿勢を繰り返し強調した。

 トレーニングの再開に当たっては、ポジティブな材料もある。国内初となるブラインドサッカー専門のピッチが、東京・小金井市に完成したのだ。

 高田監督は声を弾ませた。

「これまでグラウンドを借りるところから大変な思いをしてきたなかで、世界に誇れるピッチを用意してもらった。これほど恵まれた環境はない」

 ブラサカ日本代表の川村怜キャプテンも、「歴史的な第一歩だと感じており、競技者としてとても嬉しく思っています」と話す。フィールドプレーヤーが「音」を拾っていくブラサカでは、静寂を保てる環境整備が不可欠だ。『マルイ ブラサカ!パーク』と名付けられた練習拠点は、丸井の研修センター内にある。フィールドプレーヤーが電車や車の音を気にする必要がなく、プレーに集中できるのだ。

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