パラ五輪でメダルへ!再始動ブラインドサッカー日本代表の“強力援軍”の画像
2019IBSAブラインドサッカーワールドグランプリ3位決定戦で、スペイン代表と戦う日本代表。(写真:SportsPressJP/アフロ)
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■ブラインドサッカーでは「音」が生命線に

 ブラインドサッカー日本代表が、1年後のパラリンピックへ向けて再始動した。

 視覚に障がいのある選手がプレーするサッカーは、障がいの程度によって『ブラインドサッカー』と『ロービジョンフットサル』という2つのカテゴリーに分かれている。いずれもフットサルをもとに考案され、4人のフィールドプレーヤーとGKでチームが構成される。ブラインドサッカーは「ブラサカ」と訳される。

 パラリンピックの競技種目であるブラインドサッカーは、フィールドプレーヤーが全盲の選手と決められている。障がいの程度によって見えかたの違いがあるため、アイマスク(目隠し)の着用が義務づけられる。視覚を遮断した状態でプレーするのだ。

 GKは晴眼(視覚障がいがない)か弱視の選手だ。過去には横浜F・マリノスやFC東京に所属した榎本達也が、ブラサカ代表としてプレーしたことがある。

 試合は20分のプレイングタイムによる前後半制で、ピッチサイズはフットサルと同じ40メートル×20メートルだ。サイドラインには1メートルほどのフェンスが設置される。フィールドプレーヤーはフェンスに手で触れば、前後の位置関係を把握できる。フェンスにボールをぶつけ、その跳ね返りを利用したパスは、ブラインドサッカーならではの戦術のひとつだ。

 ボールのサイズはフットサルと同じだが、内部に金属プレートが取り付けられている。ボールが転がると「シャカシャカ」という音が鳴り、フィールドプレーヤーはボールの位置や転がりかたを把握できる。

 フィールドプレーヤーの安全性を担保するルールもある。ボール保持者に向かっていく守備側の選手は、「ボイ!(Voy)」と声を出す。スペイン語で「いくぞ!」という言葉を投げかけるのは、選手同士の不測の衝突を避けるためだ。

 外部からのサポートもある。

 11人制のサッカーで言うディフェンシブサードは、GKがフィールドプレーヤーに指示を出す。同じくミドルサードでは、サイドフェンスの外側に立つ監督が様々な情報を発信する。相手ゴールに近いアタッキングサードでは、敵陣ゴール裏に立つ『ガイド』と呼ばれるスタッフが、味方と相手の位置からゴールまでの距離、戦術的な指示などを伝える。ブラインドサッカーでは、指示を含めた「音」がきわめて重要な意味を持つ。

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