■10代のダイヤの原石がゴロゴロ

 同じく欧州の視線を集めているのが、インテルFWラウタロ・マルティネスだ。こちらは22歳だが、母国アルゼンチンからイタリアにわたって2年足らずで一気に評価を高めた。インテルの背番号10を託され、今季はセリエAの22試合で11得点、さらにチャンピオンズリーグ(CL)でも5得点を挙げた。

 そのラウタロに執心とされるのが、バルセロナだ。マンチェスター・シティやパリ・サンジェルマン(PSG)の獲得レース参戦も噂されるが、ラウタロの中では移籍するならバルサ一択であるという。ラウタロがCLで挙げたゴールには、フル出場したカンプ・ノウでのバルセロナ相手のもの含まれる。すでにアピールは十分というわけだ。

 バルサといえば、2017年にPSGへ移籍したネイマールの復帰が、常に噂され続けている。今夏の移籍市場に向けてもその方向性は変わらないが、トーンはやや落ちている。今夏のプライオリティが、ネイマールではなくラウタロに置かれているからだ。

 一部では、公表はしばらく差し控えられるものの、今月中にもバルサとインテルの間で移籍合意に達するとも報じられている。1億1000万ユーロの契約解除金の支払いは、この経済危機下では現実的ではなく、6000万ユーロと2選手を差し出すことで取引がまとまる、しかもその一人はアルトゥール・ビダルであるなどと、真実味を増すような具体的な話も浮上している。

 この「コロナショック」で、欧州のクラブは概して安上がりになる若手に賭けるようになると言われている。移籍市場の噂でも、例年にないほど若い選手の名前が多く挙がっている印象だ。

 この冬にドルトムントへ移ったばかりのアーリング・ホーランドの移籍は、さすがにないだろうと思われる。だが、この19歳の他にも、17歳のレンヌMFエドゥアルド・カマビンガがレアル・マドリーのターゲットとして挙げられるなど、10代のダイヤの原石の名がゴロゴロとメディアに転がっている。

 同じ17歳のバルセロナMFアンス・ファティには、前述のサンチョが移籍した際の後釜として、ドルトムントが目をつけていると言われている。18歳以下の選手の国際移籍はFIFAが原則禁じているが、欧州内での移籍への縛りは緩い。

 そのドルトムントは有望なティーンエイジャーの獲得に味をしめたのか、バーミンガムの16歳のMFジュード・ベリンガムを狙っていると噂される。実質2部のチャンピオンシップながら、今季32試合に出場しているベリンガム獲得にはマン・Uも興味を寄せている様子。マン・Uは国外にも目を向けており、やはり16歳のバルセロナDFマルク・フラドを、2004年にバルサの下部組織から獲得したジェラール・ピケのように育てる腹積もりだとささやかれている。

 欧州では、10代の選手にチャンスが与えられることや、若い才能が一気に台頭することは珍しくない。そうした下地を別としても、不況下で暴落している選手の移籍金と同様に、移籍市場における選手の年齢層でも、地殻変動が起きようとしているのかもしれない。

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