■ 浦和はなぜ「人数がいるのに失点する」のか。安居や植木に生じた“一歩の迷い”

「サッカー批評Web」のコラムで何度か言及しているが、攻撃に関しては優位性を保てる場面を作れるが、問題は守備についてである。横浜FMの試合でもみられたのだが、「サボっている」と指摘すると言い過ぎかもしれない。言い方を換えれば、「判断が遅い」となる。「ここで行かないと」とみられる場面で、一歩プレスが遅れてしまう。レベルが高いJ1のクラスでは、「一歩の遅れ」がすぐにピンチになってしまうのである。これは「個の戦術」に関わる問題なのだが、チームとして約束事を明確にしていけば、十分解消できることだ。

 ひとつ例を挙げよう。38分の横浜FMの谷村海那の先制点の場面である。谷村に縦パスを入れたのがボランチの松村晃助だった。松村は浦和陣内のセンターサークルの先端のところでフリーでパスを受ける。谷村はセンターバックの宮本優太と根本健太の間にポジショニングする。松村の左側には安居海渡がいる。正面には植木颯がいる。こうした場合、松村をフリーにしてボールを持たれてゴールに向く姿勢を取らせないことが大切である。中盤でフリーでボールを持たれたら、どんな場所でも正確なパスを出せる。このときに、安居がプレスに行くのを躊躇したのは、横浜FMの右サイドの守備を任されていたからだ。

 また、正面にいた植木も松村が来るのがわかっていても、一歩先にプレスに行けなかったのは、安居がいくかもしれないと考えて迷ったのであろう。つまりチームとしての約束事とは、こういうことだ。安居に右サイドのケアを捨てても中盤で相手にフリーでボールを持たせないようにするのか、それとも、アンカーの植木がポジションを離れて松村にプレスに行くのかどうかということである。浦和が相手に得点を許している場面は、ほとんどこうした約束事が徹底されていないことが原因になっていると言っていい。

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