■徳島はシステムの優位性を発揮できず

 磐田に敗れた徳島は、1分2敗で18位となっている。勝点や順位を気にする時期ではないものの、勝利をつかめていない事実は重い。

 25年のJ2を戦った徳島は、リーグ最少失点の堅守とFWルーカス・バルセロス(28歳)の得点力を強みとするチームだった。しかし、攻撃においてバルセロスの存在が戦術となっていた印象はあり、それはJ2・J3百年構想リーグでも明らかになった。彼が得点した試合は7勝1分2敗と大きく勝ち越したが、ノーゴールの試合は2勝1分3敗と黒星先行だった。

 百年構想リーグ後に就任した吉本岳史監督(48歳)は、「ピッチ上に13人、14人いるようなフットボール」を目ざしている。それはつまり、バルセロス頼みの攻撃から脱却するとの意思表示だ。

 3-4-2-1の徳島が守備時に4-4-2となる磐田と対戦した今節は、ウイングバックが高い位置を取ることがシステムの優位性を発揮するポイントだった。ウイングバックが張り出すことで相手の4バックを左右に広げ、広くなったブロックの隙間で2シャドーがボールを受けたり、ボランチが飛び出していったりするのだ。

 徳島もそうした狙いを持っていたはずだが、右ウイングバックの柳澤亘(30歳)、左ウイングバックの高木友也(28歳)が高い位置でプレーする機会は、前後半を通して限られていた。磐田のハイプレスを思うように回避できず、チーム全体のポジションが低くなっていたことがその主因である。ロングボールを蹴り出すシーンもあり、そこでシステムの頂点に立つトニー・アンデルソン(28歳)が、磐田のCBダニーロユーリ・ララとのマッチアップで優位に立てなかった。アンデルソンが起点を作れなかったことも、攻撃を難しくした。

 8月29日開催の次節は、ホームでの大分トリニータ戦だ。翌節もいわきFCとのホームゲームである。ここで浮上のきっかけをつかまないと、徳島の先行きは不透明になっていく。

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