■ 「身体能力からの脱却」戦術的に洗練された現代

 前述したように、サブサハラ・アフリカから初めてザイールが参加した1974年大会は惨敗という結果に終わった。

 そのサブサハラ・アフリカ勢が台頭してきたのは1990年代のことだった。

 1990年イタリア大会では、ミラノのジュゼッペ・メアッツァで行われた開幕戦でカメルーンが前回王者のアルゼンチンを倒し、カメルーンはそのまま勢いに乗ってベスト8に進出した。

 そして、その4年後にアメリカで開催された1994年ワールドカップでは、ナイジェリアがグループステージを首位で通過。ラウンド16では大会準優勝のイタリアに1対2で惜敗した。

 ナイジェリアは、さらに2年後のアトランタ・オリンピックでは金メダルを獲得。1990年代は、まさにアフリカ旋風が吹き荒れた時代となり、「近い将来、ワールドカップでもアフリカが優勝する」という声も聞こえてきた。

 だが、当時のアフリカ勢はその身体能力を生かしたダイナミックなプレーで注目された一方、戦術的には粗削りで、ファウルが多く、自滅してしまう試合もあった。そのため、アフリカ勢がワールドカップでベスト4に入るのは、2022年カタール大会でのモロッコの躍進を待たなければならなかったのである。

 そして、2026年大会ではそのモロッコが再びベスト8に進出しただけでなく、サブサハラ・アフリカ諸国も含めて多くの国がグループリーグを突破。ラウンド32での健闘も含めて、再びアフリカが注目されることとなった。

 現在のアフリカ勢は30年前と違って戦術的にも洗練されているし、ファウルで自滅してしまうようなこともなくなった。

つづく

(2)へ続く
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