■勝負を決めた世界最高のセンターフォワード

 後半に入ると、ブラジルは58分にエンドリッキをピッチへ送り込む。日本戦でも猛威を振るった王国期待の19歳の逸材が、力強いドリブルで次々と局面を打開し、ブラジルが徐々に攻撃の圧力を強めていった。

 それでも、ノルウェーには“世界最高のセンターフォワード”アーリング・ハーランドがいた。

 前半はフィニッシャーとしてのポジショニングに徹していた背番号9だったが、ブラジルの攻勢に比例するようにプレースタイルを変化させる。持ち前の強靭なフィジカルを前面に押し出したダイナミックなポストプレーや突破を増やし、相手に傾きかけた試合の流れを“力ずく”で引き戻してみせたのだ。

 流れを引き寄せたいブラジルのカルロ・アンチェロッティ監督は、67分に切り札のネイマールを投入。スタジアムの空気を一変させる勝負に出たが、この歴史的な夜の主役は、あくまでノルウェーの怪物だった。

 79分、左サイドからの正確なクロスに対し、ハーランドが空中で静止したかのような打点の高い豪快なヘディングシュートを叩き込み、名手アリソンの守るゴールをついにこじ開ける。さらに90分には、ペナルティエリア手前から左足を一閃。DFの股を抜き、逆のサイドネットへ突き刺す理不尽なほどの強烈なシュートで追加点を奪取。エースの圧巻の2ゴールにより、ノルウェーが終盤で一気に試合の行方を決定づけた。

 ブラジルも王国のプライドを懸けて必死の反撃を試み、アディショナルタイムの最後に獲得したPKをネイマールが意地で決めたものの、反撃の時間はもう残されていなかった。

 直後に1-2でタイムアップの笛。ブラジルはまさかの36年ぶりとなるベスト16敗退の憂き目に遭い、ノルウェーは28年ぶり4度目のW杯出場にして史上初のベスト8進出という快挙を成し遂げた。

 怪物ハーランドを擁する“バイキング軍団”の勢いは、もはや誰にも止められない。

■ 試合結果
ノルウェー代表 2-1 ブラジル代表

■ 得点者
79分:アーリング・ハーランド(ノルウェー代表)
90分:アーリング・ハーランド(ノルウェー代表)
90+10分:ネイマール(ブラジル代表)

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