■W杯最速ゴールでチュニジアの出鼻をくじく
オランダ戦のように失ったものはなく、多くのものを得た──それが、6月20日のチュニジア戦である。
開始早々の4分、日本のユニフォームを着ている外国人が、世界で最も多い都市ではないかと思われるモンテレイのスタジアムが沸き上がる。彼らがハポンと呼ぶチーム──日本が先制点を奪ったのだ。
GK鈴木彩艶のパスを受けた鎌田大地が、ハーフライン手前右でフリックする。ボールを受けたのは1トップの上田綺世で、彼が本来いるべき最前線中央へ、ボランチの田中碧がすかさず飛び出していく。ゴールを背にボールを受けると、すぐにペナルティエリア内左へ展開する。
ここに、中村敬斗がいる。迷わずに縦へ抜け出してクロスを入れると、ゴール前に詰めてきた鎌田がバックヒールで合わせたのだった。2002年大会の稲本潤一以来となる2試合連続弾を決めた背番号15は、「ビルドップからいい形で前に運ぶことができて、今日は10番だったんで、(攻撃を)作るっていうよりも、ゴール前に入っていくっていうことを考えてたなかで、自分が狙ってた仕事ができてよかったな」
初戦でスウェーデンに大敗していたチュニジアは、この日本戦で何としても勝利がほしい立場だ。監督を交代したのもそのために他ならない。
すでに追いこまれている相手から、開始早々に先制点を奪った。この時点ですでに、チュニジアのメンタルに衝撃を加えることができたと言っていい。
さらに大きかったのが、31分の追加点だ。








