■1試合4得点は史上最多
日本にとって大きかったのは、FW上田綺世が決めたことだ。
25ー26シーズンのエールディビジで得点王となった上田だが、「自分のシーズンがいい結果だったとメディアの方に言われたとしても、4年前に感じた悔しさは同じ場所でしか拭えないと思っていた」と打ち明ける。4年前はコスタリカ戦だけの出場に、しかも前半だけ交代している。オランダとのグループステージ初戦でも、「チームを勝たせることができていない悔しさ」を感じていた。
そのオランダ戦では、途中出場のFW小川航基が同点弾に絡んでいた。小川のスタメンも予想されたなかで、森保一監督は上田を2試合連続でスタメンに起用した。グループステージ突破にとどまらず、過去最高の成績を残すためには、上田に目覚めてもらわなければ困る、という思いがあったに違いない。
果たして、上田は指揮官の期待に応えた。前半のうちにリードを広げたことで、チュニジアのメンタルにさらなるダメージを与えることができた。
ここから先の試合運びは、ほぼパーフェクトと言っていい。2対0のまま試合を進め、69分に伊東純也が勝利を決定づける3点目をゲットした。田中碧からの縦パスを上田がフリックしたボールに反応し、GKとの1対1へ持ち込んで冷静に流し込んだ。
「シャドーでプレーするときは、CFにボールが入ったら落としを狙うとかいうのは練習でもやっている。あの場面も(ボールが)出てくるかなと思ったらたんで、うまく抜け出してやれてよかったです」
オランダ戦で途中出場した伊東は、久保建英の負傷欠場を受けて右シャドーで先発した。右ウイングバックの堂安を右シャドーへスライドさせるチョイスもあったなかで、練習で磨いてきたコンビネーションからゴールを陥れたのだった。
さらに83分、上田綺世が自身2点目となるチームの4点目を叩き出した。右ポケットへ侵入した佐野海舟のクロスを、下がりながらヘディングでうまくコースをついた。
これもまた、それぞれのイメージが重なったシーンである。上田が話す。
「チームとして(佐野が飛び出した)あそこのスペースをニアゾーンと呼んでいるんですけど、うまく突くことができた。いろんな選手が抜かしていって、流動的に動いて、相手をかく乱してズレを生む。ああいうふうにゴール前でスペースを作るのは、戦術的にも練習をしていたので、それをうまく生かすことができました」
W杯では初めての1試合4ゴール、しかもクリーンシートで、日本はチュニジアを下したのだった。









