いよいよワールドカップ開幕――。初めてのベスト8進出、そして「最高の景色」を目指して北中米ワールドカップに臨む日本代表にとって大きな意味を持つのが初戦となるオランダ代表との試合。日本時間15日の早朝5時にキックを迎える大一番に向け、オランダでもプレーした『レフティーモンスター』こと小倉隆史氏が秘策を語る。第2回では日本代表のエースストライカー、上田綺世の分析をお届けする。
独創的なアイディアを実現できる非凡な技術と左足から繰り出す正確でパワフルなシュートで、「レフティーモンスター」というニックネームに相応しい活躍を見せていた小倉隆史氏。四日市中央工業高校時代には、第70回高校選手権で頂点に輝き、卒業後は名古屋グランパスへ加わった。
1993年にはオランダへ渡り、エクセルシオールでプレー。2部リーグではあったが、32試合に出場し15得点をマークし、得点王争いにも加わった。日本代表がワールドカップに出場する前、移籍制度も整備されていない時代での挑戦だった。
30年以上の月日が過ぎた2025-26シーズン、上田綺世(フェイエノールト)がオランダリーグのトップスコアラーとなった。31試合に出場して積み上げたゴールは25。得点ランク2位に8ゴール差をつけ、独走状態で戴冠した。
2人はタイプの異なるFWではあるが、ヨーロッパでプレーするFWの先駆者とも言える小倉氏が上田のストロングポイント、そして期待することを語る。
■想像を絶する「9」が受ける重圧
30年以上前にオランダでプレーした私だって「技術的には通用する」と感じたので、当時の私よりずっと技術的に優れている今の選手は問題を感じないでしょうね。実際、オランダだけでなくヨーロッパで活躍している選手は多い。すごい時代だと思います。しかも上田選手はリーグ得点王ですから。
日本人選手にとって壁があるとすれば、フィジカル面でしょう。ヨーロッパのトップリーグではないにしても、オランダリーグは大柄で強い選手が多い。でも、上田選手は難なくプレーしています。しかも、「9」番を背負っての1トップですから、相当なプレッシャーを受けているはずです。私に1トップは無理(笑)。ポストプレーヤーや足の速い選手と2トップを組み、セカンドトップとしてプレーしていました。
鈴木彩艶選手も「最もシュートの強い選手は誰?」という質問に「外国人選手も含めて上田綺世」と答えていましたから、ベースのフィジカルが飛び抜けているのでしょう。とは言え、素質だけでプレーしているわけではないと思います。オランダの9番は相手のプレッシャーを受け止める能力が求められますし、サイドにはウイングがいるから安易に流れることもできません。フェイエノールトに加入してから要求に応えられるように相当鍛えてきたのでしょう。






























