蹴球放浪家・後藤健生は、世界中でさまざまな街を歩き、人々と出会ってきた。時には、それらが不思議な縁でつながることがある。家にある1冊の本が、その媒体となることもあるのだ。
■古い本が出土
先日、本棚で資料を漁っていたら『はるかな国 とおい昔』という本が出てきました。整理が悪い本棚からは、時々、思いもよらない本が“出土”することがあるのです。
2011年の東日本大震災で本棚が崩れた時には、皮肉にも「福島第一原子力発電所の原子炉がいかに安全なものなのか」を紹介した『原子炉』という本が出てきました。福島第一が建設された遠時のものです。
さて、今回“出土”したのはウィリャム・ヘンリ・ハドソンという英国の博物学者が書いた本で、原著が出版されたのは1918年という古い本。寿岳しづという女性が訳した岩波文庫版で、岩波文庫版の初版は1937年。
実は、僕の父親がどういうわけかこの本がお気に入りで、そのせいで僕は子どもの頃に読んだ記憶があります。しかし、今回“出土”したのは1975年の改訳版なので、これは僕自身が大人になってから買ったものに違いありません(自分ではまったく記憶にないのですが……)。
翻訳の日本語は大正時代のもので、アルゼンチンのカタカナ表記はアル「ジェ」ンチンとなっていますし、原著者の名前も現代風ならウィリアム・ヘンリー・ハドソンとなるはずです。












