■半世紀近くに及んだ「世界選手権」
1930年に生まれた大会は、長く「世界選手権」と呼ばれる時代を経験している。それは実に1978年のアルゼンチン大会まで、半世紀近くに及んでいる。「ワールドカップ」が定着するのはそれ以後のことである。すなわち、現在74歳の私の人生に換算すれば半分の37歳、フリーランスになるまでは「世界選手権くん」と呼ばれ、フリーランスになってからようやく「ワールドカップくん」と言われるようになったことになる。
「ワールドカップの父」と言われた国際サッカー連盟(FIFA)の第3代会長ジュール・リメ(フランス、会長在任1921~1954年)の回想録『ワールドカップの回想~サッカー、激動の世界史』(1986年ベースボール・マガジン社刊、牛木素吉郎監修)は、「序」の冒頭がこの名称問題に割かれている。
1904年に欧州の7か国でFIFAを結成した最大の目的は、「国際トーナメントの開催」だった。そのころからすでに、「ワールドカップ(フランス語でCoupe du Monde)」の名称を使う人もいたという。
しかし多くの国では、世界チャンピオンを決める大会は「世界選手権」以外に考えられなかった。
























