「766億円の埼スタ」は例外!100年後も建設費を回収できない「307億円の味スタ」は年間2億1000万円でいいのか【「命名権が安すぎる!」日本のスタジアムの大問題】(3)の画像
2001年、開場したばかりの「東京スタジアム」。2003年から「味の素スタジアム」となって23年、いまでは正式名称を知る人も少ない。©Y.Osumi
■【画像7枚】年間「2021万円」から「16億円」、「なし」まで千差万別!世界と日本のスタジアムの「値段」

 物価高なのに賃金が安すぎる。円安も止まらない。さらに、日本のスポーツ界には大問題がある。サッカージャーナリスト大住良之は、スタジアムのネーミングライツの安さを問題視している。金額だけではなく、志(こころざし)の問題なのだ!

■税金が投入される日本

 さて、日本の話である。日本では、少し前までスタジアムは国や地方自治体がつくるものと決まっていた。プロ興行の歴史が長い野球のスタジアムには民間のものがあったが、陸上競技やサッカーのスタジアムは、ごく一部の例外を除いて国や自治体がつくり、それを貸し出すという形だった。

 1964年の東京オリンピックを超える「スーパーイベント」として2002年ワールドカップの開催(韓国との共同開催)が決まり、使用するスタジアムが2001年を中心に次々と完成したが、すべて地方自治体が建設したものだった。4万人以上収容し、日本代表の試合を開催できるスタジアムが全国に生まれ、それが今世紀のJリーグ成長の大きな要素となった。

 自治体が建設するのであるから、国からの補助があったとはいえ、建設費はすべて「税金」である。たとえば埼玉スタジアム2002の建設費は、スタジアム本体だけで360億円、土地取得と公園整備を含めると766億円にのぼった。埼玉県としては非常に大きな事業だったはずだ。ちなみに2001年度の埼玉県の決算総額は、1兆7480億円だった。その4.4%にも当たる巨額を、このスタジアムに注ぎ込んだのである。

PHOTO GALLERY ■【画像7枚】年間「2021万円」から「16億円」、「なし」まで千差万別!世界と日本のスタジアムの「値段」
  1. 1
  2. 2
  3. 3