■森保ジャパンは「準備万端」なのか?

 しかし、もしこの「特別な決定力」が発揮されなかったら? 90分を回るまでシリアのゴールを割ることができず、アディショナルタイムのPKによる1点でかろうじて勝点3を得るという試合になっていたかもしれないのである。

 良いプレーをしたからと言って勝利が得られるわけではない。もちろん、良いプレーは勝利に近づく重要な要素ではあるが、そのプレーを「得点」に結びつける「決定力」がなければ、勝つことができないのが、サッカーという競技なのだ。そして、サッカーで最も難しいのが、このゴールを決めるというプレーなのだ。

 私は、今夏のワールドカップのことを考えている。森保一監督が8年間をかけて積み上げてきた日本代表は、どんなチームを相手にしても「良いプレー」をする準備は、十分にできている。そのためのチームプレーだけでなく、個の質も、そしてその質を持った選手の数も、非常に高いレベルに達している。

 このシリア戦で若い「U-23日本代表」が見せた決定力、20歳の大関友翔や19歳の佐藤龍之介のような決定力を、もしワールドカップで日本代表が発揮できれば、今年のワールドカップは日本にとって歴史を画する大会になる可能性は十分ある。しかし、それができなければ、「優勝」などまだ夢の夢という結果に終わるだろう。

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