大住良之の「この世界のコーナーエリアから」第180回「51年前の寒くて熱かった冬」(4)将来を渇望された17歳の松木安太郎、不遜だった「読売クラブ」大雪の試合の画像
松木安太郎さん(左から2番目)が高校生選手だった頃、読売クラブはまさに異色の存在だった。撮影/中地拓也

 サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト大住良之による、重箱の隅をつつくような、「超マニアックコラム」。今回は、忙しかった正月の記憶。

■「新幹線の弱点」を直撃!

 試合が終わると予約してあったタクシーに飛び乗り、飛ぶように柳井駅に戻った。その日のうちに岡山に着くには、決めてあった電車を逃すことができなかったのである。

 そして翌日の早朝、私たちは岡山から新幹線に乗り、名古屋に向かった。キックオフは午後1時である。トヨタスポーツセンターは名鉄の三好ヶ丘駅が最寄り駅であり、そこから15分間ほど丘を登ったところにあった。10時過ぎには名古屋に着いておきたい。ところが…。

 寒波はついに雪となってしまったのである。京都あたりから降り始め、「新幹線の弱点」と言われていた関ケ原あたりは大雪だという。そのため全列車が徐行運転となり、ノロノロとしか進まない。1時間半以上遅れ、名古屋に着いたのは11時半を過ぎていた。すでに雪はやんでいたが、名古屋も真っ白だった。キックオフまで1時間半しかない。私たちは即座にタクシーで行くことを決断した。そして、なんとか12時半にトヨタスポーツセンターに到着した。

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