■事故で亡くなる人は「年間10人」
中国を代表する鉄道企業の車両製造工場です。「世界中に車両を輸出している」などと説明を受け、工場内を案内してもらいました。
そして、案内人がこう言ったのです。
「安全管理もしっかりしていて、年間に事故で亡くなる人は10人程度です」
自慢げに、そう言うのです。エッ? 日本で、そんな死亡事故が起こったら大問題です。
東京工大の先生で、製造業に詳しい人に聞くと、そもそも、工場で働いている人の数が、日本の同規模の工場に比べて少なくとも2倍以上いるというのです。
もちろん、これは25年も前の話です。
日本以上の急ピッチで少子高齢化が進みつつある中国。労働者の賃金も上がっていますから、今では、当時のように労働者の生命を軽んじることはなくなっているのだとは思います。しかし、日本の企業に比べて安全管理に金をかけないで済むというのが、中国のさまざまな製品の価格が安い理由のひとつであることは間違いないでしょう。













