蹴球放浪家・後藤健生にとって、サッカー観戦前の「移動」は、いわば前哨戦だ。なでしこジャパン取材のために長崎の新スタジアムを訪れる前にも、記憶に残る「出会い」があった。
■まったく違う「気動車の旅」
ようやく発車準備が整って、そのYC1系の諫早行き列車に乗り込んでみると、車内のシートなども明るい色の洒落たデザインで、僕がこれまで抱いていた気動車の旅とはまったく違う体験ができました。
ちなみに、長崎本線の路線のうち喜々津駅から浦上駅までの間は明治時代以来の旧線(長与駅経由)と1972年に開通した新線(市布駅経由=電化)に分かれているのですが、このときはたまたま大村湾沿いを走る旧線経由の列車に乗れました。そして、旧線は非電化区間なので、そこで乗った列車もまたYC1系でした。
別に長崎に行くには旧線でも新線でもどちらでもいいわけですし、もう夕方で外は真っ暗で何も見えなかったのですが、旧線を走る列車に乗れたのでなんとなくうれしい気持ちになりました。
日本の鉄道では新幹線のような主要路線だけでなく、こういったローカル線に乗っても、今回のYC1系のように新しい近代的な車両が走っています。ローカル線でも快適な旅ができるのですから、やはり日本の鉄道の実力は大したものだと思います。
もちろん、赤字路線をどうするかなど、課題も多いのですが……。













