■トップチームにつながるタフさ
鹿島のように前線からプレッシャーをかけ続けるのは、フィジカル的に負担が大きいのは当然だ。従って、前半から飛ばした分だけ後半に入って苦しくなったのかとも思えた。とすれば、時間が経過すれば試合は神戸側に傾いていくのか……。
しかし、鹿島は後半の最後の時間帯から再び盛り返すことに成功した。そして、延長に入ってからの20分間は、前半と同様に、あるいは前半以上に一方的に神戸の攻撃を抑え込んで、攻撃の圧力を強めていった。
公式記録には神戸のシュートが5本となっていたが、その5本はすべて後半の45分間に記録されたもので、前半の45分間および延長前後半の20分間はシュートがゼロに抑え込まれていた。
しかも、鹿島は110分の試合で交代カードを2枚しか使っていない。両サイドハーフの2人(左の平島、右の中川天蒼)が交代しただけで、最前線でプレッシャーをかけ続けたトップの高木輝人や吉田は110分出ずっぱりで足を止めなかった(吉田はさらにPK戦でも1人目のキッカーとしてキックを成功させた)。
まさに、鹿島のフィロソフィーを体現したようなタフなチームだったと言っていいだろう。









