■私の席がない!「ノー・プロブレム」
ところが―。翌朝、目が覚めて時計を見ると、なんと6時半ではないか! 「今井さん、大変だ!」と隣のベッドで熟睡する今井さんをたたき起こし、すぐに支度を始めた。しかしいくら近い空港とはいえ、アメリカン航空の便には間に合わない。そのとき思い出したのが、8時半ダレス国際空港発の便をキャンセルしていなかったことだった。10分で荷物をまとめ、チェックアウトしてタクシーでダレス国際空港に向かう。そして7時45分にはチェックインを済ませ、8時半初の便に乗ることができたのである。
それにしてもノンストップなのにワシントンからボストンまで2時間近くもかかるのかなと思いながら搭乗ゲートをくぐると、理由がよくわかった。UA6506便は、19人乗りの小さなプロペラ機だったのである。
しかも搭乗してみると私の席がない。片側1席ずつ10列の飛行機で、私の席は10Aだったのだが、搭乗口に上って機内に入ると、10Bはあるが10Aは見当たらないのだ。機内でにこやかに乗客を迎えているキャビンアテンダント(CA)に言うと、「ノー・プロブレム」のひと言。全員が乗り終わって着席し、搭乗口のドアを閉めたCAは、ドアの背後にあった壁から座席をひとつ引き出し、「これがあなたの席よ」と示し、自らは10Bの席に着いてシートベルトを締めた。
飛行機は低空をぶんぶんと飛び、予定どおり10時20分にボストンの空港に着陸した。










