■変貌を遂げた「中断期間後」の東京V

 J1リーグはYBCルヴァンカップ決勝や天皇杯全日本選手権大会、日本代表の活動などによる長い中断があった。東京Vの公式戦は11月8日のJ1リーグ第36節のアビスパ福岡戦(0対0)以来だった。

 J1復帰初年度の昨シーズンとは違って、今シーズン、東京Vはかなりの苦戦を強いられた。財政事情から経験の少ない選手や大卒新人、あるいはレンタル選手によってチームづくりをしなければならない東京V。選手が成長しても、翌年には選手がチームを離れてしまうというケースも多い。

 そんな経験の少ない選手を日々のトレーニングを通じて強化して、試合では真っ向から勝負を挑ませることで経験を積ませながら戦っていくのだ。選手層も厚くない。

 しかし、今シーズンはすでにJ1残留は確定させた。そのため、城福監督は長い中断期間を使って、しっかりパスをつないで攻めるためのトレーニングを重ねてきたらしい。中断期間を利用して選手ひとり一人がしっかりと力を発揮できるようにして、チームを立て直した城福監督の、これは「マジック」と呼んでもいいだろう。

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