■システムを変化「左サイド」からの打開へ

 そこで、柏は広島戦ではシステムを変化させ、むしろ左サイドからの打開を図った。

 ボランチの1人の戸嶋祥郎を最終ラインに下ろして、2人のCB(右の原田、左の三丸拡)を左右に開かせて攻撃に参加させる。つまり、攻撃時にはキャプテンの古賀と戸嶋が2バックのような形になるのだ。ミハイロ・ペトロビッチ監督が広島や浦和レッズでやっていた「ミシャ式」に近い。

 さらに、左WBの小屋松知哉はサイドに開いているだけでなく、再三、内側のレーンに入ってプレーする。そして、その小屋松が開けたスペースには三丸が上がったり、左シャドーの瀬川祐輔が小屋松とポジションを入れ替えたりと、さまざまに変化を加えてきた。

 また、右シャドーの小泉はいつもと同じく、いわゆるフリーマン。戦況に応じて大きくポジションを変えてプレーする。とくに、この決勝戦ではその動きの幅が大きく、低い位置に下りることも多く、広島守備陣としては小泉をマークすることが難しかったはずだ。

(2)へ続く
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