日本代表WBの離脱が生んだ柏の「新システム」、“ミシャ式”で左WB小屋松知哉と「フリーマン」が変幻自在に躍動【ルヴァン杯決勝で「変貌を遂げた」柏、新兵器を「手に入れた」広島】(1)の画像
負傷者を出していた柏レイソルは、「新システム」をルヴァンカップ決勝に投入し、頂点を狙いに行った。撮影/原壮史(Sony α1使用)

 今シーズンのルヴァンカップ覇者が決まった。11月1日に行われた決勝で、サンフレッチェ広島が柏レイソルに3-1で勝利したのだ。この試合で両チームは、それぞれ「新たな姿」を披露したという。どういうことか。サッカージャーナリストの後藤健生が「Jリーグの行方」すらも左右しかねない、その「変貌」と「進化」について徹底解説する!

■「リーグ戦2位」と「カップ戦2冠」が激突

 今シーズンのJリーグYBCルヴァンカップ決勝はJリーグの上位チーム同士の対戦となった。

 柏レイソルは今シーズンから指揮を執るリカルド・ロドリゲス監督の下で徹底的にパスを回す攻撃サッカーで躍進。首位の鹿島アントラーズを追い上げ、残り3試合の時点で勝点1差の2位に付けて逆転優勝を目指している。

 一方のサンフレッチェ広島は今年が4シーズン目となるミヒャエル・スキッベ監督の下、ハイプレスをかけてショートカウンターを狙う組織的サッカーで毎シーズン好成績を収めている。ただ、決定力に課題があり、35試合終了時点で首位の鹿島とは8ポイント差の5位。数字的に逆転優勝の可能性は残っているが、リーグ・タイトルは望めそうもない。ただ、カップ戦ではルヴァンカップで決勝に進出し、天皇杯全日本選手権大会でも準決勝に駒を進めており、カップ戦2冠のチャンスもある。

 そんな、良い内容のサッカーをしているチーム同士のぶつかり合うとなっただけに、今年のルヴァンカップ決勝への期待は高かった。

 だが、勝負は意外な形でつくことになった。

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